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日常生活で困った時の対策

監修:横浜市立大学 内分泌・糖尿病内科学 教授 寺内 康夫 先生

低血糖が起きた!そのときは


軽度の低血糖の場合:ブドウ糖(10g)や砂糖(ショ糖20g)を摂取します。
同等の糖分の入った飲料水も手元にあれば結構です(人工甘味料は効果がないので確認が必要です)。
α-グルコシダーゼ阻害薬を服用している場合は、ショ糖は吸収されないので必ずブドウ糖を摂取するようにします。
糖分を摂取した後は安静にして、摂取から約15分過ぎても症状が改善しない場合は、もう一度摂取します。
低血糖は突然起こるので、外出時には角砂糖やブドウ糖、飴などを常に持ち歩くようにしましょう。
糖尿病がある方の意識レベルが低下したときは、周囲の人にブドウ糖や砂糖を口に含ませてもらう必要があります。また、グルカゴンを常備して緊急時に家族が注射できるようにしておくと安心です。こうした協力がえられるように、日頃から周囲の人や家族と話し合っておくことも必要です。
意識低下が起きた場合は、一時的に意識が回復したとしても、必ず医療機関を受診してください。

参考:日本糖尿病学会 編・著: 糖尿病治療ガイド2022-2023, p.99, 文光堂 2022

低血糖の症状

低血糖の症状

軽度 強い空腹感、眠気(生あくび)、むかつき
中度 冷や汗、ふらつき、動悸、手指のふるえ、頭痛、目のかすみ、顔面蒼白
重度 意識レベルの低下、異常行動、痙攣、昏睡

参考:日本糖尿病学会 編・著: 患者さんとその家族のための糖尿病治療の手びき改訂第58版, p.94-95, 南江堂 2020

※低血糖の症状の感じ方は人によって違うので、自分の症状の特徴を知っておきましょう。

参考:日本糖尿病学会 編・著: 糖尿病治療ガイド2022-2023, p.98, 文光堂 2022

低血糖の原因

一部の血糖降下薬やインスリン注射の効果が効きすぎて、体内のインスリン量が多すぎる場合と、食事量が少ない、運動量が多い場合に起こります。低血糖になると血糖をエネルギー源とする脳をはじめとして、様々な臓器に影響が出て、上記のような症状が生じます。

低血糖にならないためには

低血糖が起きる可能性のある薬物を用いている場合は、極端な食事制限や空腹時の運動は避けます。食事の間隔が著しく開く場合や、激しい運動をしたときはクッキーや飴など糖質の多い食べ物を少量とるようにします。さらに、薬剤の服用(インスリン注射も含む)については医師の指示を必ず守るようにしましょう。インスリン注射を行っている方は、車の運転前に血糖を測って、運転中の低血糖を避けなければなりません。

参考:日本糖尿病学会 編・著: 患者さんとその家族のための糖尿病治療の手びき改訂第58版, p.96-100, 南江堂 2020